[Blues Collection] Fingerpicking Country Blues by Feeling①
カントリーブルースに興味があるがたくさんありすぎて何から聞いたらいいかわからない!という方のために、私が聞き溜めた中からいろいろな角度でカントリーブルースを紹介していきたいと思います。
先ずは、カントリーブルースギターと言ったら、やはりフィンガーピッキングです。
1920年代から1940年代、そして1960年代のブルースリバイバルで盛んに演奏されたスタイルです。
基本はアコースティックギターで右手親指でベース音を弾き、他の指でメロディー音を弾き奏でるスタイルです。とてもシンプルですが、ブルースマン達は時にはゆったり、時にはリズミカルに、時には激しく巧みに表現しています。
そんなフィーリングに合わせたフィンガーピッキングのブルースマンの曲を聴いてください。
【カントリーブルース】聞いて気持ちいいフィンガーピッキングの曲5選
[Country Blues] 5 fingerpicking songs that feel good to listen to
“Pay Day” ミシシッピ・ジョン・ハート
by Mississippi John Hurt
先ずは、フィンガーピッキングと言えば、ミシシッピ・ジョン・ハート(Mississippi John Hurt)。
1966年にリリースされたアルバム「Today!」のオープニングを飾る曲。
イントロからジョン・ハートのフィンガーピッキングの素晴らしさが存分に堪能できます。
とても優しく、美しい音色でとても気持ちがいい。ジョンの声も暖かくてとてもいい!
でも、日本語では「給料日」。いったい何を歌っているんでしょうね。
“Freight Train” エリザベス・コットン
by Elizabeth Cotton
女性の名手エリザベス・コットン(Elizabeth Cotton)が11、2歳のころ書いた曲です。
エリザベスがリリースしたのは1958年ですが、その前年にペギー・シーガー(Peggy Seeger)らが先にリリースしています。これは、ペギーが一時エリザベスに乳母をしてもらった時期があり、この曲を教わりイギリスで演奏・録音をしたためです。その後、エリザベスの録音をペギーの兄マイク・シーガーが行いました。
とても多くの人にカバーされている曲で、フィンガーピッキングを始めた人は必ず最初に習う1曲です。私もそうでした。
因みに、エリザベスは独学でギターを覚えたため、右利き用ギターを左右逆にに構え低音弦が下にある状態で弾いています。
“Nobody Knows You When You’re Down and Out” スクラッパー・ブラックウェル
by Scrapper Blackwell
1962年にスクラッパー・ブラックウェル(Scrapper Blackwell)がリリースした曲。
元は、1923年にジミー・コックス(Jimmy Cox)によって書かれた古い曲で、1929年のベッシー・スミス(Bessie Smith)のバージョンで一気に有名になり、その後もとても多くの人がカバーしています。
1992年にはエリック・クラプトン(Eric Clapton)のアンプラグドでもカバーされています。スクラッパーの演奏はクラプトンの演奏の元になったものではないでしょうか?
「お金が無くなったら誰も誰も知らんぷり」ちょっと寂しい歌詞ですが、コード進行がとてもおしゃれで気持ちいい曲です。
“Truckin’ My Blues Away” ブラインド・ボーイ・フラー
by Blind Boy Fuller
1936年にピエモンテ ブルースマンの一人、ブラインド・ボーイ・フラー(Blind Boy Fuller)がリリースしたラグタイムブルース。
ボーイは1936~38年の間に良い曲をたくさん残していてその中の一つ。
マンス・リプスコム(Mance Lipscomb)も1967年に”Keep on Trucking”という曲名でリリースしています。
因みに、ピエモンテ ブルースはイースト コースト、またはサウスイースタン ブルースとも呼ばれ、ブラインド・ブレイク(Blind Blake)、ジョシュ・ホワイト(Josh White)等も該当します。
“Police Dog Blues” ブラインド・ブレイク
by Blind Blake
1929年に前出のブラインド・ブレイク(Blind Blake)がリリースした彼のオリジナル曲。
ブレイクは”The King of Ragtime Guitar”とも言われるほどのラグタイムギターの名手です。
この曲はイントロのハーモニクスの音がとても気持ちいいです。
1991年にエタ・ベイカー(Etta Baker)がリリースしたアルバム「One-Dime Blues」の中で披露しているインストゥルメンタルのバージョンも気持ちいいです。
【カントリーブルース】聞いてゆったりした気持ちになるフィンガーピッキングの曲5選
[Country Blues] 5 fingerpicking songs that make you feel relaxed
“Shine On Harvest Moon” マンス・リプスコム
by Mance Lipscomb
マンス・リプスコム(Mance Lipscomb)が1960年に最初にリリースしたアルバムに入っている曲です。
リプスコムの巧みなフィンガーピッキングと淡々と歌う雰囲気がゆったりとした気分にしてくれます。
元々は1908年に「Ziegfeld Follies」という演劇で演奏され人気があり、1909年に最初のレコードが出されています。
近年に渡るまで多くのジャンルの人がカバーしている、とても愛されている曲です。
“Mississippi River Blues” ビッグ・ビル・ブルーンジー
by Big Bill Broonzy
1934年にビッグ・ビル・ブルーンジー(Big Bill Broonzy)がリリースしたバージョン。
ゆったり流れるミシシッピ川を思い浮かべることができそうないい曲です。
元々は1928年にジミー・ロジャース(Jimmie Rodgers)が初録音したものです。
“Since I’ve Laid My Burden Down” ミシシッピ・ジョン・ハート
by Mississippi John Hurt
ミシシッピ・ジョン・ハート(Mississippi John Hurt)の1967年のアルバム「The Immortal Mississippi John Hurt」に収めるられた曲。
軽快なリズムとハートの暖かい歌声はとてもゆったりした気分にさせてくれます。
この曲は”When I Lay My Burden (s) Down” や “Glory, Glory, Hallelujah”という別名で色々なバージョンで歌われています。
実は葬式で歌われる曲なんだそうです。
“Downtown Blues” フランク・ストークス
フランク・ストークス(Frank Stokes)が1928年にリリースした曲。
ストークスはメンフィスの父と言われるほど、影響力のあったブルースマンでした。
イントロや間奏の軽快なフィンガーピッキングは可愛い感じでゆったりできます。
それと相反してストークスの力強い歌声がまたいい感じを醸してくれます。
“Tomorrow Night” ロニー・ジョンソン
by Lonnie Johnson
1948年にロニー・ジョンソン(Lonnie Johnson)がリリースして大ヒットしたブルースバラード。
甘く、メロディックでゆったりした気持ちになります。
1939年にサム・コスロウ(Sam Coslow)とヒュー・ウィリアムズ (Will Grosz)によって書かれた曲。
かなり多くの人にカバーされていて、エルビス・プレスリー(Elvis Presley)やボブ・ディラン(Bob Dylan)もカバーしています。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、ブルースマンがフィンガーピッキングで演奏するいい気持ちになる曲5選と、ゆったりした気持ちになれる曲5選を紹介しました。
楽しんでいただければありがたいです。
次の回は、フィンガーピッキングによる軽快な曲、かっこいい曲を紹介したいと思います。
楽しみにしていてください。