[Blues Collection] Fingerpicking Country Blues by Feeling②
前回はブルースマンがフィンガーピッキングで弾く「気持ちいい」と「ゆったり」のフィーリングの曲でした。
参考にしてもらえたでしょうか?
今回はフィンガーピッキングの「かっこいい」と「軽快」のフィーリングで行ってみたいと思います。
巧みなフィンガリングに裏付けられた曲はどれもとてもイキイキとしています。
【カントリーブルース】聞いてかっこいいフィンガーピッキングの曲6選
[Country Blues] 6 cool fingerpicking songs to listen to
“Sweet Home Chicago” ロバート・ジョンソン
by Robert Johnson
1937年にあのロバート・ジョンソン(Robert Johnson)が初めてこのタイトルでリリースした曲。
ロバートの弾いた曲は本当に多くの人がカバーしていてこの曲もその一つ。
元々は、「Kokola(Kokomo) Blues」でマドリン・デイビス(Madlyn Davis)が1927年にリリースしたものがオリジナルです。
Kokola(Kokomo)の由来は諸説あり、アメリカの都市名とかコーヒー名などと言われています。
あのオバマ元大統領もホワイトハウスで開かれたブルースの祭典でこの曲を歌ったようでうす。
“Candy Man Blues” ミシシッピ・ジョン・ハート
by Mississippi John Hurt
ミシシッピ・ジョン・ハート(Mississippi John Hurt)によって1929年にリリースされたトラディショナルソング。
ジョンの巧みなフィンガーピッキングが堪能できるかっこいい曲です。
キャンディー=飴というのはどうも違うようです。何か深い意味があるようです。
“Big Boss Man” マンス・リプスコム
by Mance Lipscomb
1965年にマンス・リプスコム(Mance Lipscomb)がリリースしたバージョン。
元は1960年にジミー・リード(Jimmy Reed)がリリースしていて、非常に多くのアーティストにカバーされている曲です。
マンスの巧みでスピード感のあるフィンガーピッキングと、淡々と歌う雰囲気が本当にかっこいい。
これだけの技術があるのに若い頃の録音がされていないのが非常に残念。
ブルースリバイバルで注目され、この時は既に50歳でした。
“I’m So Glad” スキップ・ジェームス
by Skip James
1931年にスキップ・ジェームス(Skip James)がリリースした曲。
スキップの甲高い声とスピード感のあるフィンガーピッキングがとても独特な雰囲気をもってカッコイイ。
リリース当時は恐慌の影響もありあまり売れなかったようですが、1966年にクリームによってカバーされ見直されたようです。
ブルースリバイバルシーンはスキップなしでは語れません。
“Blues Before Sunrise” スクラッパー・ブラックウェル
by Scrapper Blackwell
1934年にスクラッパー・ブラックウェル(Scrapper Blackwell)とピアノのリロイ・カー(Leroy Carr)によってリリースされた曲。
後に、1960年にスクラッパーがソロで再リリースしたこのバージョンもかなり絶賛されたようです。
当時、次のレコーディングも行われ、これから日の目をみるって時に彼は銃弾に倒れてしまいました。
1962年59歳でした。まさに、”Blues Before Sunrise”
“Me and the devil Blues” ロバート・ジョンソン
by Robert Johnson
かっこいい曲の最後もロバート・ジョンソン(Robert Johnson)で、1938年にリリースした曲。
ロバートは悪魔と魂と交換にギターテクニックを手に入れたという伝説があります。
元々ハーモニカ奏者だった彼がギターに持ち替えたときはお世辞にも上手いとは言えなかったようです。
それが1年地元に帰って戻ってくると見違える程のテクニックを身に着けていました。
そして、27歳で毒殺されてしまいました。
本当に悪魔に魂を渡したのでしょうか?
【カントリーブルース】軽快なリズムのフィンガーピッキングの曲7選
[Country Blues] 7 Fingerpicking Songs with Light Rhythm
“Rag, Mama, Rag” ブラインド・ボーイ・フラー
by Blind Boy Fuller
1936年にブラインド・ボーイ・フラー(Blind Boy Fuller)がリリースしたラグタイムブルース。
1935年のARCレコードでの録音の一つでピートモントブルースの師匠ゲーリー・デイビス(Rev. Gary Davis)、ウォッシュボードのジョージ・ワシントン(George Washinton)が共演しています。
この時、本名のフルトン・アレン(Fulton Allen)をブラインド・ボーイ・フラーにして発表しています。
ウォッシュボードの音が更に軽快に感じさせます。
“Sugar Babe, It’s All Over Now” マンス・リプスコム
by Mance Lipscomb
1960年のマンス・リプスコム9(Mance Lipscomb が初リリースしたアルバム「Texas Sharecropper And Songster」の2曲目。
曲の冒頭「最初に習ったものだ」と言って始まります。
マンスのフィンガーピッキングが軽快に流れとてもいいです。
詩の内容はだいぶネガティブですけどね。
“Salty Dog” ミシシッピ・ジョン・ハート
by Mississippi John Hurt
1963年にミシシッピ・ジョン・ハート(Mississippi John Hurt)がリリースしたアルバム「Folk Songs And Blues」の4曲目。
ジョンの優しい歌声と軽快なフィンガーピッキングがいいです。
1900年代のフォークソングでいろいろなジャンルでカバーされています。最初の録音は1924年のパパ・チャーリー・ジャクソン(Papa Charlie Jackson)によるもの。
「ソルティードッグ」とは好きな人を表すスラングで、昔大事な猟犬にダニを寄せ付けないため貴重な塩を塗りつけてあげたことが由来のようです。
“I Got Mine” フランク・ストークス
by Frank Stokes
1929年にフランク・ストークス(Frank Stokes)がビール・ストリート・シェイクス(Beale Street Sheiks)のセッションでリリースした曲。
チャールズ・カートウェル(Charles Cartwell)、ジョン・クイーン(John Queen)によって書かれた曲で、最初のリリースは1902年にラグタイム歌手のコリンズ & ナタス(Collins & Natus)によるものです。
ギャンブル、強盗、上流生活について歌われています。
“Hey Hey” ビッグ・ビル・ブルーンジー
by Big Bill Broonzy
1952年にビッグ・ビル・ブルーンジー(Big Bill Broonzy)がリリースした曲。
1992年のエリック・クラプトン(Eric Clapton)のアンプラグドで一躍有名になりました。
多くの人が演奏に憧れたことでしょう。世界中でレッスン動画が公開されています。
軽快なリズムとスライドするベース音がとてもお洒落です。
“Ain’t you sorry” マンス・リプスコム
by Mance Lipscomb
1962年にマンス・リプスコム(Mance Lipscomb)がリリースしたアルバム「Mance Lipscomb Vol. 4」の2曲目。
軽快なリズムとマンスの巧みなフィンガーピッキングがすばらしい!
特に後半のギターソロは一聴の価値あり!
“Deep River Blues” ドク・ワトソン
by Doc Watson
1964年にドク・ワトソン(Doc Watson)がリリースしたアルバム「Doc Watson」のB面4曲目。
1933年にデルモア・ブラザーズ(Delmore Brothers)によってリリースされた”I’ve Got the Big River Blues”がオリジナル。
ドクが歌詞の「Big」を「Deep」に変えただけですが、ドクの曲として一般的に知られています。
ドクの軽快なフィンガーピッキング繰り返される♪タターター♪タターター♪タタアタ~のリフが印象的です。
まとめ
ブルースマンがフィンガーピッキングで弾く「かっこいい曲」6選と「軽快な曲」7選を紹介いたしました。いかがだったでしょうか。
ブルースマンのギターテクニックが堪能できたのではないでしょうか?
これまでフィンガーピッキングギターの「気持ちいい」「ゆったり」「かっこいい」「軽快」のパターンでしたが、次回は楽器をハーモニカに変えてコレクションを紹介したいと思います。